雑語

作画演出メモ

話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選

 毎年恒例、新米小僧の見習日記さんの10選企画。

ルール

・2017年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。

・1作品につき上限1話。

・順位は付けない。

 

ゆるキャン』第5話「二つのキャンプ、二人の景色」

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脚本:伊藤睦美/絵コンテ:京極義昭/演出:鎌仲史陽/作画監督大島美和、堤谷典子

 しまりんの自由気ままなソロキャンプ。なでしこたちのみんなでワイワイ楽しむ野クルキャンプ。みんなでやるほうが楽しいよ、なんて筋書きにするのは簡単だけれど、お互いがお互いを慮っていればこそ、そんな押しつけがましさは生じるはずもなく。どちらかがいいんじゃなくて、どちらもいい。なぜなら彼女たちは同じ夜空の下でつながっていて、同じ感動を共有できているのだから。立山秋航さんの音楽に合わせ、それをシームレスにえがき出したワンシーンの美しさ。

 

ダーリン・イン・ザ・フランキス』第5話「キミの棘、ボクのしるし」

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脚本:林直孝/絵コンテ・演出:高雄統子作画監督愛敬由紀子

 水滴、波紋、雨。鬱屈した感情と不穏さ、そのなかで際立つゼロツーの異質感。これまでアクションの巧さが光っていた本作において、濃密な芝居で魅せた話数。

  高雄統子さんコンテ・演出回はこの第5話ともうひとつ第22話「スターゲイザー」があるわけだけれど、後半の話数は脚本面で個人的にあまり響かなかったということもあり、こちらを選出。

 

ハイスコアガール』ROUND3

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 脚本:浦畑達彦/絵コンテ:山川吉樹

 山川吉樹監督一人原画・演出回。光/陰影表現が強烈に心象に焼き付く。露出オーバー、ホワイトイン……夏の残滓と春雄/大野の心残りをオーバーラップさせていくかのような演出が素晴らしかった。

 ここぞという話数で演出の良さが光る作品。第13~15話は来年3月下旬からOVA発売なり配信なりがされるので、それまでに未見の方は是非。

 

BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』第65話「父と子」

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脚本:上江洲誠/絵コンテ:黄成希/作画監督:黄成希、ほか8名

 ド派手で十分なケレン味がありながら、何が起きているのかしっかり追えるアクション。タメツメが気持ちいい。間隙を埋めるリップシンク/芝居の巧さ。このクオリティをTVシリーズで観られるというのは、これはもうとんでもなく贅沢なことだ。黄さんをはじめとしたアニメーターの方々の勢い、そして熱量の籠った話数。

 

 『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第8話「ひかり、さす方へ」

絵コンテ・演出:光田史亮作画監督:松尾亜希子、ほか8名

 

ヤマノススメ サードシーズン』第10話「すれちがう季節」

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絵コンテ・演出:ちな/作画監督:今岡律之

 まさしく粒ぞろいで選出には相当迷わされたが、なかでもやはりいちばん印象的だったのはこの話数。芝居や目パチ、顔/手の表情、その一挙手一投足が、単に巧いだけに留まらず、確かな演出意図をもって組み立てられていた。原画マンのみならず、演出家としてのちなさんの手腕を感じさせられる。

 

やがて君になる』第6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」

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絵コンテ:あおきえい/演出:渡部周/作画監督:仁井学

 全話数を通して演出が効いていた本作。なかでも物語のひとつの区切りでもある第6話は、あおきえいさんのコンテがあまりに抒情的だった。想定線、Fix、ロングショット……巧みなカメラワーク。踏切、カーブミラー、飛び石。連続する境界のモチーフで語られるのは、彼女たちの関係性と、言葉の内側/裏側にある想い。

 

ゾンビランドサガ』第8話「GOGO ネバーランド SAGA」

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脚本:村越繁/絵コンテ・演出:石田貴史/作画監督桑原剛、ほか2名

  良い意味で癖のある顔の表情、それが脱色されてしまう3DCGのライブシーンは惜しいよな、と感じていたところ、ここにきて急にセルにしてくるのはズルい。あと個人的にこういう話に弱い。

 

 『SSSS.GRIDMAN』第9回「夢・想」

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絵コンテ:五十嵐海/演出:金子祥之/作画監督:五十嵐海、坂本勝

 話数を通してパース、フォルムが抜群に良い。想定線を超えた後、裕太たち各々が下手へと掃け、現実へと駆けていくなか、夢の世界に独り残されるアカネの構図、その切なさ……。つい作画的見所に目がいってしまいがちだけれど、見返すたび五十嵐さんによるコンテの緻密さに気づかされる。

 

ブラッククローバー』ページ63「何でも無い」

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シナリオ:村上桃子/絵コンテ・演出:吉原達矢作画監督:伊礼えり、ほか11名

  かの『Fate/Apocrypha』第22話「再会と別離」を彷彿とさせるが、それでいてまったくの別物で異色。自由奔放で、チャレンジングで、溢れ出るケレン味に呼吸をするのも忘れそうになる。GIFを貼っておいて言うのも何だけれど、シーンの切り抜きでなく通しで一度観るべき強烈な話数。

 

  このほか、『スロウスタート』『宇宙よりも遠い場所』『恋は雨上がりのように』、TVアニメ以外でいえば『DEVILMAN crybaby』あたりが私的お気に入り。諸事情あって春アニメをあまり追えなかったのが心残り。でも最後には『ベイビーアイラブユーだぜ』で久々に松本理恵監督作品を拝めて、良い締めくくりができたように思う。